インプラントにすると老後は悲惨?老後に出てくるデメリットと予防法をご紹介
「インプラントにすると、老後に悲惨なことになるって本当?」 「高い治療費を払ったのに、将来的に使えなくなるの?」
インプラントに関して、このような不安を抱える方も多いでしょう。インプラントは見た目や噛み心地に優れた治療法ですが、年齢を重ねるにつれて上昇するリスクや注意点も存在します。
本コラムでは、老後に起こりやすいインプラントの問題点とその予防法について詳しく解説します。長く快適に使い続けるためのポイントもあわせてお伝えしますので、ぜひご参考にしてください。
老後に起こりやすいインプラントのトラブル
インプラントは耐久性の高い治療ですが、加齢にともなう身体の変化によってトラブルが起こることもあります。
以下で、老後に起こりやすい代表的なインプラントのリスクを解説します。
骨量の減少によるインプラントの脱落
加齢によって骨代謝や骨密度に変化が生じると、インプラントを支える顎骨が減少し、インプラントが不安定になることがあります。最悪の場合、脱落してしまう恐れもあります。
健康状態の悪化によるインプラント周囲炎のリスク上昇
持病による免疫力の低下や、全身の状態悪化により、インプラント周囲組織に細菌感染が起こりやすくなる場合があります。
特に糖尿病患者さまはインプラント周囲炎のリスクが高いため、定期的なメンテナンスが重要になります。
再治療のリスク
インプラントは適切なメンテナンスにより、数十年の使用にも耐えうるものです。ただし、経年劣化を完全に防ぐことはできません。インプラントが著しく劣化する、あるいは破損・脱落した場合には、再治療が必要になることがあります。
高齢になって再治療が必要となった場合、体力や持病によっては外科手術が難しいと判断される可能性があります。老後の歯科治療の選択肢が限られてしまうことはデメリットといえるでしょう。
老後もインプラントを快適に使い続けるためのポイント
インプラントを長く快適に使い続けるためには、日々の丁寧なブラッシング、そして歯科医院での定期的な検診・メンテナンスが欠かせません。
特に老後は、加齢や持病などによりセルフケアが難しくなることも考えられるため、第三者のサポートを見据えた対策が必要になります。
患者さまご自身でのケアが困難になった際は、上部構造を取り外して洗浄しやすくなる 「インプラントオーバーデンチャー」 へ変更するのも一つの方法です。また、定期的な通院が難しくなった場合には、訪問診療の活用も有効です。
インプラントの上部構造の変更や訪問診療などの柔軟な対応が可能かどうかは、治療を受ける歯科医院の設備や体制に大きく左右されます。老後まで見据えたインプラント治療では、治療技術だけでなく、アフターケアや再治療に対応できる体制も重要です。
インプラントを長く快適に使い続けるためにも、信頼できる歯科医院でしっかりと相談することをおすすめします。
Q1:高齢になってからインプラントを受けることはできますか?
A1:はい、骨の量や口腔内の状態にもよりますが、年齢を重ねてからもインプラント治療を受けることは可能です。
Q2:インプラントを使い続けることで得られるメリットはありますか?
A2:インプラントは入れ歯と違って骨に固定されているため、食事や会話にほとんど影響しません。しっかりと咀嚼することで脳に刺激が伝わり、認知症の予防にもつながると言われています。
記事監修 おのざと歯科院長 小野里 元気

■ 略歴
- 日本歯科大学新潟歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 新潟再生歯学研究会 理事
- 日本先進歯科医療研究会 会員
- IDIA(International Dental Implant Association)指導医
- 日本臨床歯科CADCAM学会 会員
- 日本歯周病学会 会員
- 日本臨床歯周病学会 会員
- 群馬歯周治療研究会 会員
- デンツプライシロナ株式会社 ライブデモ講師