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COLUMN

インプラント治療コラム

突然インプラントが抜けた…放置してはいけない理由

2026.06.03 インプラント
突然インプラントが抜けた…放置してはいけない理由

インプラントが突然抜けると、「そのまま様子を見ても大丈夫?」「もう一度治療が必要?」と不安になりますよね。
しかし、抜けたインプラントを放置するのは危険です。
インプラントが抜ける原因としては、

・インプラント周囲炎
・噛み合わせによる強い負担
・ネジのゆるみや部品の破損
・顎の骨との結合不良

などが考えられます。
特に、インプラント周囲炎が進行している場合は、周囲の骨が溶けている可能性もあり、放置すると再治療が難しくなることもあります。
また、抜けたままにすると、隣の歯が動いたり噛み合わせが崩れたりするリスクもあります。

この記事では、インプラントが突然抜ける原因や放置してはいけない理由、応急処置の方法、歯科医院で行う治療内容についてわかりやすく解説します。

突然インプラントが抜けた…放置してはいけない理由

インプラントが抜けたら!まず実践すべき3つの応急処置

インプラントが抜けたら、まずは慌てずに行動しましょう。
適切な応急処置を実践することで、その後の治療がスムーズに進む可能性が高まります。
歯科医院へ連絡する前に、ご自身でできることがいくつかあります。
ここでは、万が一の際に実践すべき3つの応急処置について説明します。

抜けたパーツをティッシュで包まず清潔な容器で保管する

抜けたインプラントのパーツは、ティッシュペーパーで包むのは避けてください。
繊維が付着して不衛生になるだけでなく、誤って捨ててしまうリスクが高まります。
清潔なプラスチックのケースや、チャック付きの小さなポリ袋などに入れて保管するのが最適です。
歯科医院へ持参するまで、破損したり紛失したりしないよう、安全な場所で保管しましょう。

自分で無理やり元に戻そうとしない

抜けたパーツをご自身で口の中に戻そうとすることは、絶対に行わないでください。
無理にはめ込もうとすると、残っているインプラント体や周囲の歯茎、顎の骨を傷つけてしまう恐れがあります。
また、手や抜けたパーツに付着した細菌が原因で、傷口から感染を引き起こす可能性も否定できません。
パーツが元通りに見えても、内部で何らかの問題が起きていることがほとんどです。
現状を悪化させないためにも、触らずにそのままの状態で歯科医院へ持っていきましょう。

抜けた箇所で噛んだり舌で触ったりしない

インプラントが抜けた部分は、穴が開いていたり、内部の部品が露出していたりなど、デリケートな状態です。
その箇所で食べ物を噛むと、強い力がかかって顎の骨を傷めたり、食べかすが入り込んで細菌感染の原因になったりします。
また、舌や指で頻繁に触れることも避けてください。
なるべく安静を保ち、歯科医院を受診するまで刺激を与えないようにしましょう。

突然インプラントが抜けた…放置してはいけない理由

落ち着いて確認!抜けたのはインプラントのどの部分?

インプラントが抜けた時、次に確認したいのが「どの部分が抜けたのか」という点です。
インプラントは、①被せ物(人工歯)、②土台(アバットメント)、③根っこ(インプラント体)の3つのパーツで構成されています。
抜けた部分によって、トラブルの深刻度や今後の治療法が大きく異なります。

①被せ物(人工歯)だけが取れたケース

口から取れたものが、白いセラミックなどの歯の形をしたパーツだけであれば、被せ物(人工歯)のみが外れた状態です。
これはインプラントのトラブルの中では比較的軽微なケースと考えられます。
主な原因は、被せ物を土台に固定していた接着剤の劣化や緩みです。
被せ物自体に破損がなく、土台やインプラント体に問題がなければ、洗浄して再度接着するだけで治療が完了することも少なくありません。
費用や治療期間も最小限で済む可能性が高いでしょう。

②土台(アバットメント)ごと外れたケース

被せ物(人工歯)の下にある、土台の部品(アバットメント)ごと外れてしまうケースです。
この場合、インプラント体とアバットメントを連結している小さなネジが緩んだり、破れたりしている可能性が考えられます。ネジの緩みが原因であれば、締め直すことで再装着が可能です。
しかし、ネジが破折している場合や、長期間の緩みによって部品が変形している場合は、新しい部品に取り替える必要があります。
早めに歯科医院で適切な処置を受けることが重要です。

③根っこ(インプラント体)から抜けた最も深刻なケース

顎の骨に埋め込まれていたネジ状の根っこ部分(インプラント体)そのものが抜けてしまった場合、最も深刻な状態です。
これは、インプラントを支えるべき顎の骨が、インプラント周囲炎(歯周病に似た病気)などによって吸収されてしまったことを意味します。
また、手術後の骨結合がうまくいかなかったケースも考えられます。
この状態になると、同じ場所にすぐにインプラントを再埋入することは困難で、骨を再生させる治療などが必要になる可能性があります。

突然インプラントが抜けた…放置してはいけない理由

なぜ抜けた?インプラントが抜け落ちる主な原因

インプラントが抜けてしまう原因は一つではなく、日々の生活習慣からメンテナンス不足、あるいは外部からの衝撃まで、さまざまな要因が考えられます。
ここでは、インプラントが抜け落ちる代表的な原因をいくつか紹介します。

最も多い原因は「インプラント周囲炎」の進行

インプラントが抜ける最大の原因は、インプラント周囲炎です。
これは、インプラントの周りの歯茎が細菌に感染して炎症を起こし、進行するとインプラントを支えている顎の骨を溶かしてしまう病気です。
天然歯の歯周病と似ていますが、インプラントには神経がないため自覚症状が出にくく、気づいた時にはかなり進行しているケースが多く見られます。
日々のセルフケアが不十分で、歯垢や歯石が溜まることが主な引き金となります。

歯ぎしりや食いしばりによる過度な負担

歯ぎしりや食いしばりの癖は、無意識のうちにインプラントへ非常に大きな力をかけてしまいます。
天然の歯には、歯と骨の間にある「歯根膜」というクッションのような組織があり、噛む力を和らげる働きをしています。
しかし、インプラントにはこの歯根膜がないため、噛む力が直接インプラント体や顎の骨に伝わります。
この過度な負担が長期間続くと、パーツの緩みや破損、あるいは支えている骨の破壊につながり、インプラントが抜ける原因となることがあるのです。

事故や転倒など外部からの強い衝撃

日常生活での事故や転倒、あるいはスポーツ中に顔を強くぶつけるなど、外部から予期せぬ強い衝撃が加わることも、インプラントが抜ける原因の一つです。
強い衝撃によって、被せ物が欠けたり外れたりするだけでなく、土台のネジが折れたり、最悪の場合は顎の骨が骨折してインプラント体ごと脱落してしまったりする可能性も考えられます。

骨とインプラントの結合がうまくいかなかった

インプラント治療では、インプラント体と顎の骨がしっかりと結合する「オッセオインテグレーション」という現象が不可欠です。
しかし、手術後の感染、患者の骨質の問題、喫煙、糖尿病などの全身疾患、あるいは手術の技術的な問題などにより、この骨結合が順調に進まない場合があります。
結合が不十分なままインプラントに力が加わると、安定せずにぐらつき始め、最終的に抜け落ちてしまうことにつながります。

定期メンテナンスを怠っていた

インプラント治療が終わった後も、歯科医院での定期的なメンテナンスは欠かせません。
セルフケアだけでは除去しきれない汚れを専門的な器具でクリーニングし、インプラント周囲炎を予防することがメンテナンスの大きな目的です。
また、噛み合わせのチェックや、パーツの緩みや破損がないかの確認も行います。
こうしたメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎や部品のトラブルが静かに進行し、ある日突然インプラントが抜けるという事態を招きかねません。

突然インプラントが抜けた…放置してはいけない理由

抜けたインプラントの再治療は可能?今後の流れと費用

インプラントが抜けた後、再び快適に食事ができるようになるのか、治療はどう進むのか、そして費用は一体どのくらいかかるのか、不安は尽きないことでしょう。
抜けた原因や口腔内の状態によって治療法は異なりますが、多くの場合で何らかの形で機能を回復させることが可能です。
治療のあと、安心して過ごせるよう、今後の治療の流れや費用の目安について解説します。

抜けたパーツごとの治療法と期間の目安

抜けたパーツによって治療法と期間は大きく異なります。
被せ物だけが外れた場合は、洗浄して再接着すれば1日で終わることがほとんどです。
土台ごと外れたケースは、ネジの締め直しや部品交換で対応できれば数日から数週間で完了します。
最も深刻なインプラント体ごと抜けた場合は、まず原因となったインプラント周囲炎の治療や、失われた骨を再生する治療が必要になります。
骨の状態が安定してから再手術を行うため、治療期間は数ヶ月から1年以上に及ぶこともあります。

再治療にかかる費用の相場はどのくらい?

再治療の費用も、状態によって大きく変動します。
被せ物の再接着であれば数千円~1万円程度で済むことが多いでしょう。
土台のネジ交換や被せ物の再製作が必要になると、数万円~10数万円程度かかる場合があります。
インプラント体ごと抜けてしまい、骨造成手術を経て再埋入するとなると、初回のインプラント治療と同等か、それ以上の費用(30万円〜50万円以上)が必要になる可能性も考慮しなくてはなりません。
まずは治療を受ける歯科医院に詳細な見積もりを確認することが重要です。

歯科医院の保証制度は適用されるか確認しよう

多くの歯科医院では、インプラント治療に対して独自の保証制度を設けています。
保証期間は5年や10年など医院によって様々ですが、期間内であれば無償または一部自己負担で再治療を受けられる場合があります。
まずは治療を受けた歯科医院に連絡し、ご自身のケースが保証の対象になるかどうかを確認してみましょう。

インプラントを長持ちさせるために今日からできる予防策

一度インプラントが抜ける経験をすると、二度と繰り返したくないと強く思うはずです。
インプラントは適切なケアとメンテナンスを行えば、長期間にわたって安定して機能する優れた治療法です。
トラブルを未然に防ぎ、大切なインプラントを少しでも長く使い続けるためには、日々の心がけが重要になります。
ここでは、インプラントを長持ちさせるために、今日から実践できる予防策についてご紹介します。

毎日の丁寧なセルフケアが基本

インプラントを長持ちさせるための基本は、毎日の丁寧な口腔ケアです。
インプラントの周りは汚れが溜まりやすく、不衛生な状態が続くとインプラント周囲炎のリスクが高まります。
通常の歯ブラシに加え、歯と歯茎の境目やインプラントの根本部分を磨きやすい「タフトブラシ(ワンタフトブラシ)」や、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを活用しましょう。

歯科医院での定期的なプロのメンテナンス

毎日のセルフケアを完璧に行うことは非常に難しいため、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが不可欠です。
メンテナンスでは、セルフケアでは除去できない歯石やバイオフィルムを専門の器具で徹底的に清掃します。
また、インプラントのネジに緩みがないか、噛み合わせに異常はないかといった専門的なチェックも行い、トラブルを早期に発見・対処することにつながります。

マウスピースで就寝中の歯ぎしり対策

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、就寝中にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着することが非常に有効な予防策となります。
ナイトガードは、睡眠中の無意識の強い力からインプラントを守るクッションの役割を果たします。
これにより、インプラントの部品にかかる過度な負担が軽減され、ネジの緩みや破損、さらにはインプラントを支える骨へのダメージを防ぐことができます。歯科医院でご自身の歯型に合ったものを作成してもらいましょう。

まとめ

インプラントが突然抜けてしまった場合、まずは慌てずに「抜けたパーツを清潔に保管する」「自分で戻さない」「患部を触らない」という3つの応急処置を実践してください。
そして、できるだけ早く治療を受けた歯科医院へ連絡し、指示を仰ぐことが最も重要です。
抜けた原因はインプラント周囲炎や過度な負担など様々ですが、早期に対処することで、再治療がスムーズに進む可能性が高まります。

記事監修 おのざと歯科院長 小野里 元気

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

略歴

  • 日本歯科大学新潟歯学部 卒業

所属学会・資格

  • 日本口腔インプラント学会 専門医
  • 新潟再生歯学研究会 理事
  • 日本先進歯科医療研究会 会員
  • IDIA(International Dental Implant Association)指導医
  • 日本臨床歯科CADCAM学会 会員
  • 日本歯周病学会 会員
  • 日本臨床歯周病学会 会員
  • 群馬歯周治療研究会 会員
  • デンツプライシロナ株式会社 ライブデモ講師

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