歯肉を切開しないフラップレスインプラント治療とは
「インプラント手術は痛そう」
「術後に腫れるのが不安」
このように感じて、治療に踏み出せない方も少なくありません。
こうした不安を軽減するために、当院では歯肉を切開しない 【フラップレスインプラント治療】 を行っています。通常のインプラント手術とは異なり、身体への負担を抑えながら痛みや腫れの軽減、治療期間の短縮が期待できる方法です。
本コラムでは、フラップレスインプラント治療の特徴や、通常の手術との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
「少しでも安心して治療を受けたい」 「できるだけ楽な方法を選びたい」 とお考えの方はぜひ、最後までご覧ください。
フラップレスインプラント治療とは?
フラップレスインプラント治療とは、歯肉を切開しない低侵襲(ていしんしゅう:体への負担やダメージを最小限に抑える医療技術)なインプラント手術の一つです。
通常のインプラント治療では、歯肉をメスで切開して骨を露出させ、インプラント体を埋入する一次手術と、その後にアバットメントや人工歯を装着する二次手術の計2回の外科手術が必要になります。
一方、フラップレスインプラント治療では歯肉を切開することなく、あらかじめシミュレーションされた位置に小さな穴を開けてインプラント体を埋入します。
歯肉の切開を伴わないため、出血や腫れが少なく、術後の回復も早いとされています。状態によっては、手術当日に人工歯を装着することも可能です。
フラップレスインプラント治療のメリット・デメリット
フラップレスインプラント治療には、身体への負担が少ないといった多くの利点がある一方で、注意すべき点も存在します。
メリットとデメリットの両面をしっかりと理解することで、ご自身の状態や希望に合った治療法を選びやすくなります。
ここからは、フラップレスインプラント治療の代表的なメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット①術後の見た目を保ちやすい
フラップレスインプラント治療では歯肉を切開しないため、術後も歯肉の自然な形を保ちやすいという特徴があります。
特に前歯などの審美性が求められる部位では、歯肉ラインの仕上がりが見た目の印象に大きく影響します。
切開を伴わない処置により、術後も歯肉が大きく変形しにくく、自然で美しい仕上がりを目指しやすいのもフラップレス治療の利点の一つです。
メリット②来院回数の低減・治療期間の短縮
フラップレスインプラント治療では、手術工程が簡略化されることで、通院回数や治療にかかる期間が抑えられる可能性があります。
症例によっては、外科処置を1回で完結できる「1回法」や、埋入当日に仮歯を装着する「即時負荷(即時荷重)」といった選択肢もあり、従来よりも効率的な治療スケジュールが組めるケースもあります。
デメリット①費用が高くなるケースがある
フラップレスインプラント治療では、CT撮影や3Dシミュレーション、サージカルガイドの作製といった追加工程が必要になることが多く、従来の手術法と比較して費用が高くなる傾向があります。
また、インプラント治療自体が自由診療であるため、導入技術や設備によって費用に差が生じやすい点にも留意が必要です。
デメリット②高度な設備と経験豊富な歯科医師の技術が求められる
フラップレスインプラント治療では歯肉を切開しないため、術中に顎骨の状態を直接確認することができません。そのため、術前に行うCT撮影やシミュレーションの精度が非常に重要となり、歯科医師の豊富な経験や技術が欠かせません。
医療機器や術者の技術が不十分な環境では、適応の見極めや安全性の確保が難しくなることもあるため、この点はフラップレス治療特有の注意点といえます。
当院では、高精度の歯科用CTや3Dシミュレーション設備を導入し、事前の診査・診断を丁寧に行ったうえで、経験豊富な歯科医師が治療を担当しております。
フラップレスインプラント治療にご興味のある方や、「自分にも適応できるのか知りたい」という方は、まずはお気軽にご相談ください。一人ひとりの状態に合わせた最適な治療方法をご提案させていただきます。
Q1:外科手術に対する不安が強いです。対処法はありますか?
A1:当院では静脈鎮静麻酔下でのインプラント手術を提供しております。うとうとした状態で手術を受けられ、術中の記憶も残りにくいとされています。
Q2:フラップレスインプラント治療は保険適用内で受けられますか?
A2:いいえ、保険適用外(自由診療)です。
記事監修 おのざと歯科院長 小野里 元気

■ 略歴
- 日本歯科大学新潟歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 新潟再生歯学研究会 理事
- 日本先進歯科医療研究会 会員
- IDIA(International Dental Implant Association)指導医
- 日本臨床歯科CADCAM学会 会員
- 日本歯周病学会 会員
- 日本臨床歯周病学会 会員
- 群馬歯周治療研究会 会員
- デンツプライシロナ株式会社 ライブデモ講師